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福島高専・工学科の数学について【基礎数学】

福島高専・工学系学科の数学は,1年次に基礎数学,2年,3年次には微分積分・線形代数という科目で学習していくことになります。4年生,5年生では数理解析学,確率・統計を学習します。高等学校のカリキュラムとは異なり,教科書も高校のものとは別のものです。

 

入学してすぐに学習が始まる【基礎数学】の単元名を見てみると,「数と式」,「方程式・不等式」,「関数とグラフ」,…などで,高校数学で学習する単元にほぼ同じ名前のものがあります。基礎数学の単元と高校数学の単元では,名称が同じようでも,中身が一致していないものもありますが(下図参照),基礎数学で学習する内容全体としては,高校数学の内容にふくまれるといっていいようです。

 

注目したいのは,高専の基礎数学は,2年次以降の数学学習に必要な基礎をつくるための内容であるがため,その内容は,高等学校1年次から3年次にわたる内容が盛り込まれたものであるということです。高校3年間で学習する内容すべてを基礎数学で学習するということではありませんが,高専の1年生は高校2年生,3年生が学習することまで学習しなければならない内容にふくまれているということです。

 

高校によって異なりますが多くの場合,高校数学の学習順序は,数学Ⅰ・数学A→数学Ⅱ・数学B→数学Ⅲとなっています。数学Ⅲまで学習するなら,1年で数Ⅰ・A,2年で数Ⅱ・B,3年で数Ⅲのように進みます。高専の基礎数学では,これを一気にかけ上がるような学習をするイメージです。

基礎ができていないと応用ができないということがいわれます。次から次へと新しいことを学習しなければならない状況だと,前の単元で習得できていないことがあることによって次の単元の学習がスムーズに進められないということが,起こりやすくなるのではないでしょうか。学校の授業内容から遅れないように,先送りをしない勉強を心がけましょう。

 

◆基礎数学(福島高専・工学科1年次)と高校数学との単元対応◆

・数と式の計算・・・・・・・・・・数Ⅰ(数と式)(数Ⅱの剰余の定理、因数定理、複素数含む

・方程式と不等式・・・・・・・・・数Ⅰ(2次関数)、数Ⅱ(式の証明、複素数と2次方程式)

・関数とグラフ・・・・・・・・・・数Ⅰ(2次関数)、数Ⅲ(関数)

・指数関数と対数関数・・・・・・・数Ⅱ(指数関数と対数関数)

・三角関数・・・・・・・・・・・・数Ⅰ(図形と計算)、数Ⅱ(三角関数)

・図形と式・・・・・・・・・・・・数Ⅱ(図形と方程式)、数Ⅲ(2次曲線)

・場合の数と数列・・・・・・・・・数学A(場合の数)、数学B(数列)

※高校数学については、記載されていない単元あり。

 

福島高専・工学科の数学について【学習のポイント】

いわき事務局 専属教師 杉山

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