福島高専卒業後，大学3年次への編入を希望している方は、受験する大学・学部・学科を選定するにあたって注意してほしいことがあります。それは単位認定に関することです。

高専も大学も，学科やコースなどごとに卒業に必要な単位，単位数が決められています。当然、高専から大学に編入した場合も、編入した大学で決められた単位数を取得しなければ卒業できないということになります。とはいえ、1年次から入学した学生が4年かけて取得する単位数を、3年次から取得していかなければならないということではありません。

高専から編入する場合は、高専で取得した単位を大学が認定し、その認定された単位に加えて大学で単位をとり、卒業に必要な単位数を満たすという形になります。そこで重要なのが、高専で取得した単位を大学がどのように認定するのかということです。単位認定のしかたはすべての大学が同じということではなく、大学・学部・学科によって卒業に必要な単位、単位数も違いますから、注意が必要なわけです。

編入学募集の要項では、「本学の定めるところにより、出身学校のカリキュラム・成績を考慮して単位を認定する」　「3年次入学が原則であるが、既に修得した単位数によっては2年次として入学を許可する」　「編入学生は3年以上在学しなければならない」　「高専で取得した単位のうち認定する単位は最大43単位とする」…などの記載が見られます。大学によってさまざまです。
大学3年生になると思っていたら2年生だったなんてことがあったらびっくりです。編入してから2年間で卒業できると思っていたら、どう頑張っても3年かかることが入学してからわかったなんてことも避けたいですね。前もって調べておくことですね。

①高専卒業時点でどれほどの単位を取得しているか。
②それが大学でどのように認定されるか。
③大学卒業に必要な単位・単位数はどれほどか。
ということがはっきりすれば、大学編入後どれくらい単位をとらなければいけないかもわかってきます。

①と③は自分でも調べればわかりそうですが、②は難しそうですね。
受験を考える方は担当の先生に相談してみることです。

そして、この単位認定に関することが，編入学する学科選びにも大きく関わってくるようです。
例えば、化学・バイオ工学科の生徒が大学の機械工学科に編入するとしたらどうでしょう。化学・バイオ工学科で取得した単位の中に、機械工学科を卒業するのに必要な単位として認定されるものはどれほどあるでしょうか。専門科目で認定されるものはほぼ無いのではないかと思います。
つまり、自分が卒業する（した）学科と同じ系統の学科に編入学する場合より、異なる系統の学科に入学する場合の方が認定される単位が少なくなるということです。
高専時代と同じ系統の学科を受験する場合は、たいてい3年次、4年次と勉強して卒業するのが可能な認定になるでしょうが、異なる系統学部・学科を受験したい場合は、入学後卒業要件をきちんと満たせるのかチェックしておく必要がありそうです。

これらの情報は、編入希望する大学の学科が受験可能なのか、編入学後卒業が可能なのか、大学生活がどれくらい忙しいものになるのかなどの点に関わってくることだと思います。編入学をしようとする方は、これらのことに留意して受験大学・学科を選定してがんばってほしいと思います。

いわき事務局　　専属教師　杉山