国語力・読解力を向上させるには①
国語とは
全ての教科の基礎となる教科で、国語の力がなければ、どの教科においても、設問を正確に理解し、正確に答えることができません。しかし、国語の勉強はどうすればいいのかわからない、という人が多いようです。また、親御さんから「子どもの読解力が足りない。読解力をつけてほしい」といった要望も多くいただきます。そこで今回から大きく4回にわけて中高生を対象に、読解力の向上のヒントについて掲載していきます。
読解力をつけるために
読解力の醸成は非常に時間がかかります。しかし、一度見につけば一生の財産になります。長い文章を読むのが苦手、正直面倒くさい、という方が多いのでは?
ですが、特に受験生は模擬試験などにより長い文章を読むトレーニングをしますので安心してください。それにより読解力が全くついていかないわけではありせん。
ここでは、具体的に読解力とはどのようなものかを考察してみたいと思います。そして、さらに読解力を向上させるヒントを後述します。
国語のテストで求められる読解力とは、
①長い文章を正確に読み
②設問の意味を正確に理解し
③文章中の根拠を押さえて
④設問に沿った形で、解答用紙に書き込む
という複雑な過程のことなのです。①~④までを分析していきます。
①長い文章を正確によむ
( ⅰ )説明文や評論文の場合
文章の構成に注目する。文章のほとんどは、序論、本論、結論から成り立つ。
序論:文章の導入
本論:文章の主題、具体例⇒筆者の主張の根拠、科学的事実など
結論:文章のまとめ⇒筆者の主張
※本論は文章の中で最も長い。本論の中でも、筆者の意見、科学的事実、一般的な反論など、本論を細かく分けることができる。
これらのことをふまえて、文章を段落ごと、そして、序論、本論、結論にも分けます。本論は特に丁寧に、筆者の意見①、反論①、事実①などに細かく分けていきます。ここで重要なのが文章の上に、ここまでが本論などと書き込んでおくことです。
このひと工夫で、いわば、文章の見取り図を作るわけです。そうすると、文章の構造(骨組み)が把握しやすくなります。さらに、要点をまとめる問題など(筆者の最も言いたいことは何か〇〇字でまとめなさいという問題)で、文章のどこにキーワードが多く書かれているかということも把握しやすくなります。
《また、どうしても長い文章をよむのが苦手という方のために。序論と結論だけを先に読んでみよう。文章の述べたいことが分かりやすくなります。》
これまでの勉強法のまとめ
段落に分け、さらに序論、本論、結論という大きなまとまりに分けてみよう。そして、文章の上に序論などと書き込んでいこう。過去に使った教科書、国語の模擬試験の問題に見取り図を作ってみよう。
( ⅱ )小説の場合
文章の流れに注目する。主人公の成長、心の変化に要注意!
会話の前後半にご用心。視点の変化にも注意。
小説は、情景描写(景色や状況)、心理描写(心の動き)、会話に分けることができます。
情景描写では、特に「いつ」「どこで」「だれが」「なに」をしているのかを把握します。小説の世界の状況、登場人物の性格や今置かれている状況などのヒントが情景描写には書かれています。
《例》 梅雨時の暗い夕暮れ、彼はうつむき加減で傘を差しながら、ひとりぼとぼとと歩いていた。⇒男が寂しそうに(悲しそうに)歩いている。(※男によくないことが起こったであろうことを暗示している)
心理描写では、喜怒哀楽表現を見つけることが大切ですが、さらに「背筋がサッと冷たくなった」「胸の奥がじんわりと温かくなった」など、遠回しに感情の動きを表現したものに最も注意を払いましょう。これら、遠回しの感情表現が問題になることが多いです。
「背筋がサッと冷たくなった」⇒恐怖、怒りを表すことが多い。
「胸の奥がじんわりと温かくなった」⇒安心、喜び、感動を表すことが多い。
次回、②に続きます。
白河事務局 プロ家庭教師 渡辺 岳史