実力テストや模試の活用方法
10月になり、過ごしやすくなってきました。いよいよ受験勉強も追い込みの時期になってきました。
さて、今回のコラムでは、毎月のように行われる外部模試や校内実力テストの活用方法について述べていこうと思います。
実力テストや模試を受験すると、成績表の判定の部分だけを見て、一喜一憂するだけの人を多く見かけます。しかし、判定については、それほど重要だとは思いません。それよりも大切なことがあるからです。
特に大切になってくるのは「復習」です。そこで、復習の方法について、いくつかの段階に分けながらお話していきましょう。
【1】 模試や実力テストを受けた日
① 模試や実力テストが終わったら、その日のうちに模範解答を見て自己採点を行いましょう。記述問題についても、自分なりに解答してみてください。
② 全科目の得点が出たら、得点の低い科目について、「なぜ得点が低いのか」を考えましょう。また、それだけではなく、得点の高かった科目についても、「なぜ得点が高かったのか」を考えるようにしましょう。
③ その分析を踏まえて、学習計画に修正が必要な場合は、修正を加えましょう。
【2】 模試や実力テストを受けて1週間以内
④ 間違えてしまった問題の解説をしっかりと理解しましょう。この時に、忘れてしまっている内容があれば、教科書を使って復習することを忘れずに。また、正解した問題も、勘で解いている場合がありますので、解説を読み、理解した上で正解しているかどうかを確認するようにしましょう。
⑤ 解説が理解出来たら終わりではなく、もう一度解いてみましょう。これを全科目で行います。
【3】成績表が届いた日
⑥ 自己採点と実際の点数の差を把握しましょう。言うまでもないですが、自己採点との差は少ないほうがいいです。また、記述問題などでは、どういったところで減点されているかに注目しましょう。
⑦ 単元ごとに正答率が記載されていると思います。どういった単元で点数を落としているのかを確認しましょう。自分の得点パターンが見えてきます。また、正答率が載っている場合、正答率の高い問題で失点していないかどうかを確認してください。
⑧ 採点方法を見直したうえで、もう一度時間を計って解きなおし、採点を行いましょう。
以上が、基本的な復習の方法です。
注目してほしいのは、②で「得点の高い科目」についても分析していることです。一見、正解して得点が高い科目については、勉強が上手くいっていて、順調に伸びていると判断できると思います。しかし、しっかりと理解した上で高得点が取れているのであれば問題はないのですが、たまたま得意分野が多かったり、選択問題で勘が当たったりしているだけのことがあります。そうすると、次回の模試で得点が下がってしまうというようなことが起こります。これが、いわゆる「波」の原因の一つだと考えられます。ですから、得点が取れた科目についても、油断せずに、冷静な分析が必要なのです。もちろん、分析した結果、順調に勉強が進んでいると判断できた場合は、自分を褒めてあげてください。
模試の一番の活用方法は、しっかりと復習をすることだと思います。以前、ある予備校の先生が、「模試の受験料は、成績表をもらうための料金ではなく、解答解説冊子の料金なんだ」とおっしゃっていたことがあります。この発言もあながち大げさな言葉ではないのかもしれないと思いました。これからの模試は、解答解説冊子を上手に使い、本当の意味での成績アップを目指してください。