集中力を生む五つの力
漫画やゲームには夢中なのに、どうして宿題や練習はすぐに飽きてしまうのでしょう。今回は勉強ができる子やスポーツが得意な子が自然と身につけている力を五つに分類して、タイプ別に効果的な勉強法をご紹介します。 (参考文献『プレジデントファミリー』)
〇根気力
根気よく集中力を持続させるには、まず環境作りが大事です。どんな環境がよいかといえば、急激な変化が起こらない環境。具体的には静かな環境が好ましいです。この環境に最適な時間が早朝です。根気力が高い子は早朝に勉強している傾向が多いです。この力に長けている生徒には、是非早朝の時間を有効活用するよう勧めてみましょう。
〇一点集中力
注意を一つのことに向けるポイントは、気が散りそうなものを排除することです。机の上や身の周りを点検して、「目立つもの」や「興味や関心を掻き立てられるもの」を目に入らないようにすることが重要です。漫画やゲームが良い例です。この力が強い子は、スポーツの前に「集中儀式」を行うことが多いそうです。ラグビーの五郎丸選手や野球のイチロー選手などが例として挙げられます。これは、勉強においても非常に有効な方法であるといえます。
〇リラックス力
リラックス力の高い子は「ながら勉強」をする傾向が強いです。二つのことに同時には注意を向けられないのが心理学の常識ですが、ラジオを聴きながら勉強するというように、ながら勉強を実践している子は少なくありません。集中が途切れた時に、ちょっと音楽を聴いて主体的にリラックスしているのです。周りの環境をむやみに拒絶せず、それに親しめる、そんなリラックス力を持った子は集中力が高いといえます。このタイプの子には、自主学習の場などで、BGM等を聞きながらの勉強方を提案してみると良いでしょう。
〇瞬発力
「一つの問題でつまずいても先に進む」というのは集中するための工夫の一つですが、瞬発力の高い子はその傾向が強いようです。一度つまずいても、こだわらずに先に進めるのは、途切れかけた集中力を再チャージすることに長けているからでしょう。瞬発力の高い子は「息抜きは休むより体を動かす」タイプが多いようです。体を動かすことで凝り固まっていた思考がほぐれ、手足の動きを中心に体の各部から刺激が送られて脳が活性化します。このタイプには課題を多く与えることで結果的にやる気を引き出す可能性があります。
〇発想力
発想力の高い子に特徴的だったのは「人に負けない得意分野がある」というものです。発明家のエジソンや物理学者のアインシュタインも研究以外のことには無頓着でしたが、自分の得意分野には徹底した集中力を発揮しました。集中し、とことん突き詰めて考え抜くことで、今まで気がつかなかったことにも気付くのでしょう。この力が秀でている生徒には、「広く浅く」ではなく、一つ一つのことに深く触れながら指導を進めるのが効果的です。
【最後に】
生徒さんの中には集中できないという方も少なくはないはずです。今回紹介した五つの力のどの力が合うかも、人によって違うと思います。我々は1対1の指導だからこそ、その生徒さんに合った集中力の引き出し方を探してあげることができると考えています。
郡山事務局 教務部 佐藤 克浩