家庭学習につながる片づけ術
家に物があふれていると“エネルギー”が奪われます。物がすぐになくなる、探しものは見つからない、床が散らかっていて掃除ができない、などなど。小さいストレスが積み重なることで、どんよりとした空気が家中に充満してしまいます。特に子どもは、家庭環境に影響されやすいものです。物をため込んだ家では子どももシャキッとできず、集中できない、切り替えが苦手な子どもに育ってしまうかもしれません。そこで今回は、片づけの重要性についてご紹介していきます。
(参考文献『勉強できる子がやっている片づけの習慣』)
◆片づけ上手は勉強上手
片づけには空気を入れ替える力があります。物を整理すると生活にメリハリがついて、子どものやる気を起こすことができます。例えば夜寝る前に、子どもが学習机の上を片付けるとします。できれば、何も物がない状態がベストです。すると、翌日片付いた机の前に座ると、不思議と頭がスッキリして勉強に取り組むことができます。環境が整うと子どものモチベーションも高まり、勉強を怠けがちな子どもが、自分から机に向かうようになることもあります。片づけを通して、子どもは段取りをしたり、試行錯誤したりする習慣を身につけます。片づけは「ここだと便利かな?」と効率を考えながら整理し、収納や配置を決めるからです。これは勉強における頭の使い方に似ています。例えば、どの公式を使えばスムーズに答えを導き出せるか、テストならどの問題から解けば時間内に終わるのかなど自分の頭で考えられるようになります。
◆すぐやる力
面倒くさいからといって、どうしても使った物を“後で片付けよう”と考えがちです。そこで、“使ったらすぐに片付ける”を一連の動作と考えて、日頃から繰り返し実行していきます。そうすると、次第に意識しなくとも当たり前の動作になり、すぐに取り掛かることが苦痛ではなくなり、面倒くさいという気持ちもなくなります。ここまでくれば“すぐにやる“が習慣となり、宿題やお手伝いにも効果が現れてくるようになります。
◆コツコツやる力
いざ勉強をしようとした時に、「読みかけのマンガが置いてあったり」、「学校から持って帰ってきたプリント類が広げっぱなしだったり」、使っている勉強道具以外の物が視界に入ってくると、自然とそちらに目がいってしまい集中力が欠け、維持できなくなります。勉強に集中し継続できるようにするためには、机の周りに余計な物がなければ、目の前の問題に集中して取り組むことができるのです。毎日コツコツやり続ける事で意欲も沸いてきて、自然と勉強もはかどるようになってきます。
◆子どもが使う場所は子どもに片付けさせる
子どもに、自由にできるスペースを与えるということは、同時に“責任”を持たせるという事を教えてあげてください。もし、子どもが出した物を親が片付けてしまうと、子どもは親がやってくれると考えて、物事に責任を持たないようなやりたい放題の子どもに育ってしまう可能性があります。自分でやったことには責任を持つ、というのが世の中のルールです。親は「自由に使ってもいいけど、その代わりに自分で片付けるんだよ」と根気強く教えてあげましょう。丁寧に伝えることで、子どもは少しずつ理解してくれるはずです。まずは、簡単にできる片づけのルールとして、「消しゴムのカスはゴミ箱に捨てよう」、「おもちゃなど、持ってきた物は使い終わったら元の場所に片付けよう」といったことから始めてみると良いと思います。自由に散らかした後に、子どもがストレスを感じずに片づけられるようになれば、勉強やスポーツなど、どんなことにでも意欲的に取り組んでくれると思います。
◆片付けることで思いやりの気持ちを育てる
片付けは、子どもの成長を促す可能性も持っています。例えば“思いやりの気持ち”です。片づけができるようになってくると、「ここに物があると踏んでしまうかな?」、「ここを片付けたら、あとで使う人がうれしいかな?」、「靴を揃えて脱ぐとキレイに見えるかな?」など、一歩先のことを考える力が身についてきます。これが、家族や友だちなど、周囲の人のことを気遣い、思いやる気持ちに繋がっていきます。
◆最後に
片づけを通して、子どもは段取りをしたり、試行錯誤をしたりして習慣を身につけます。片付けは「これをどこにしまおう」、「ここにあると便利かな?」など、効率を考えながら整理して、収納や配置を決めるからです。これが、勉強における頭の使い方に似ていて、勉強の進め方やテストで問題に取り掛かる順番を、ハッキリさせる力に繋がっていきます。
片づけは、勉強に必要な土台づくりに役立てる事ができると思います。勉強の仕方、を教えてほしいというご家庭が多いです。当協会の先生方はそういったところまでサポート出来るよう、経験を積んでおります。
郡山事務局 教務部 佐藤 克浩